1.ジャングルの中でのミニストリー
フィリピン到着二日目、二つのグループに分かれて、早速教会の活動に参加しました。私が参加したのは、アヤウイアオイで行われるミニストリー。それだけ聞いても、最初は、何のことだか分かりませんでした。そして、車に乗せられて、どんどんジャングルの中へ!車一台がやっと通れる道を行き、ぽっかり空いた空間に出ると、そこに一軒の民家がありました。車を降りると、すでに大人約20名と、子供約25名の人々が待っていました。
ルツ子先生のリードで賛美が始まり、恵みの分かち合いがなされました。そうして、感謝の祈りをささげてから、三つのグループに分かれました。一つは、13人の求道者のグループで、ルツ子先生がリードしていました。もう一つは洗礼準備会で、ルツ子先生のご主人でレメリー教会主任牧師のマニー先生が導いていました。そしてもう一つは、子供たちの集会で、現地の教会の姉妹がリードしていました。その傍らでは、暑さでぐったりした鶏と牛がこちらを見ていました。
だんだん分かってきたのは、これは「伝道的な家庭集会(家の教会 House Church)」だということです。会場を提供している家族とその近所の方々があつまり、まずは求道者クラスや子供会に出席し、受洗志願者が起こされたらマニー先生のクラスに移るのです。それが分かってきたら、だんだん感動がこみ上げて来ました。「すごい!私たちは今、ジャングルの中の、宣教の最前線にいるんだ!!」
フィリピンはカトリックの国です(カトリックが82.9%、プロテスタント2.8%)。人々は、当然のように自分はクリスチャンだと思っています。でも御言葉に根差した、明確な信仰をもってらっしゃる方は意外に少ないとのこと。そんな中、ルツ先生は、求道者クラスで、①(聖書のいう)本当のクリスチャンとは、②霊的に生まれ変わるとは、③信仰とはどういう意味か、④救いってどういうこと、⑤神様の与えて下さる赦しとは、と5つのテーマについて、繰り返し教えているそうです。そうした中で、本当の意味で生まれ変わった(born again)方が与えられると、洗礼を授け、神の家族(教会)の一員とされるのです。この家の教会の姿を見て、私自身が信仰の原点に戻される気がしました。
2.情熱的な賛美、溢れる涙!
3日目は日曜日、朝の8時半からレメリー教会で礼拝をささげました(早い!)。オープニングは力強い賛美と、子供たちのタンバリン。私は賛美を捧げながら、涙が止まりませんでした。今回のミッション・トリップのテーマは「見に行こう!フィリピンでなされる主の御業」、そしてその目的のところにはこう書きました。「実際に出て行って、日本だけでなく、世界で働かれる主の御業を肌で感じ、世界でも主を礼拝している人がたくさんいて、神様は世界中の人々が救われることを切に望んでおられることに、感動し、確信にまで変えられる必要があるのです。このパラダイムシフト(意識の劇的な変化!)こそが、ミッショントリップの第一の目的です!」それが実際に、私の中に起こったのです!本当にこのミッショントリップに参加してよかった、と実感しました。そして、私たちのチームも「Amazing Graceアメージング・グレース」を英語と日本語で特別賛美し、メンバーのN姉が救いの証しをしました。最後は、聖餐式にもあずかり、神の家族を体感することが出来たのも恵みでした。
3.フィリピンの子どもたち
5日目(帰国前日)に、レメリー教会でキッズ・ユースミニストリーの時間がありました。私は事前から、ユースは若いメンバーや牧師たちに任せて、子供たちと関わりたいと願っていました。メンバーであるY姉やK兄の証しが語られた後、グループに分かれる時間がありました。私は迷わず子供たちのグループに入りました。子供たちは、恥ずかしそうにしていましたが、徐々に慣れてきました。お祈りの時間、彼らの祈祷課題に驚きました。「家族が幸せであるように」「お父さんとお母さんの関係のために」「刑務所に入っているお父さんのために」そういった内容が多かったのです。親のどちらかが海外へ出稼ぎに行くことが多いフィリピンでは、すれ違いから、家族関係が壊れてしまうことが多いらしいのです。子供たちが一生懸命、家族のために祈る姿に心打たれました。
その後、日本チームが用意したカレーライスを、子供たちと食べました。感謝なことに、この時になると彼らの方から積極的に色々話しかけて来て、タガログ語を教えてくれたり、ゲームをしたり、ゆったり時間を過ごしました。彼らの笑顔がキラキラ輝いていて、人懐っこい彼らの姿を、心の底から愛おしいと感じました。最後は、後ろ髪を引かれる思いで互いに「バイバイポ~」とお別れしました。今でも彼らの笑顔が、心に焼き付いています。
帰りの飛行機の中、私の隣には50~60代らしき男性が座りました。その後ろには、彼の友だちも座っていました。(聞きたくもないのですが)時折、彼らの会話が聞こえて来ました。彼らはフィリピンでの夜の武勇伝を語っていたのです(内容はお察しください)。それを聞いて、とても悲しい気持ちになりました。貧しさゆえに、そういう道を選ばなければいけない人がいる、その反面、外国で恥ずべき行為をする人がいる。あの子供たちの笑顔を思い出し、どうかこれからもイエス様を愛し、教会に連なり、主の道をまっすぐに歩んで行って欲しいと、心から祈らされました。もちろん日本人の救いのためにも祈り続けます。
最後になりましたが、祈り支援して下さった日本の教会の皆様、一緒に参加したミッショントリップのメンバー、そして受け入れて下さったレメリー教会の皆様と、マニー先生ご夫妻に心からの感謝を捧げます。そしてすべての栄光をイエス様に!バイバイポ~!!